vol.36-④ 真面目に頑張るからこそ虐待を生む?
- 2021年11月19日
- 所長の学び
こんにちは。
イロハニトイロで所長をしている金村です。
「虐待」についてのお話しの続きになります。
「いつまで続くねん!」
「どこ向かってんねん!」
「何が言いたいねん!」
という感じかもしれませんが、興味のある方はぜひ最後までお付き合いください。
あるひとつのゴールに向かって実は話を進めている つもり です。。。
(たどり着けるかな?)
前回は、間違わずしっかりと考え、マニュアルに沿って仕事をしようとさせる環境が虐待を生む。
むしろ、雑談して普段からたくさんスタッフ同士でしゃべって、気軽に話せて、マニュアル通りにできなくてもいいという環境が大切だと思う、というお話をさせていただきました。
これまで挙げた、金村が虐待に繋がると思う環境として挙げた6つを改めて言うと、
❶ 失敗すると責められる環境。
❷ ちょっとした不安なことを相談できない環境。
❸ 決められたとおりにやらないといけない環境。
❹ 他のスタッフに迷惑を掛けないようにしようという環境。
❺ みんなが同じ意見になろうとする環境。
❻ 上司が能力を評価する環境。
でした。
そして今回は、❹と❺についてお話しさせていただければと思います。
❹ 他のスタッフに迷惑を掛けないようにしようという環境。
スタッフ同士って迷惑をかけたらダメなんでしょうか?
自分が休むと、迷惑がかかるから休めない。
だから体調を崩して「病気だから仕方がない」という大義名分を得て休む。
でも休んだ後、迷惑をかけたことで周囲に、とっても気を遣ってしまう。
迷惑かけないようにかけないように、と自分で必死に頑張る。
迷惑を掛けないように自分が頑張っているからこそ、迷惑をかける奴に腹が立つ。
忙しいのに仕事を休まれると腹が立つ。
そんな思いだから、自分も迷惑かけないように休めない。
こんなことってありませんか?
いや、僕がこれまで働いてきた職場(5つ)って全てそんな環境だった気がします。
迷惑を掛けないような関係はお互いの心が苦しくなります。
迷惑を掛けないことが相手の為であり、組織の為であり、自分の為であると思い込んでいるけど、本当にそうなんでしょうか?
結局みんなが苦しくなっていってる。人と人の心がどんどん離れていっている。
こんな環境だからこそ溜まった不満やうっぷんをちょっとした患者さんの態度に反応して出してしまう。
結局、患者さんにもそれが影響しているんです。
いつも言っていますが、これも逆!だと思うんです。
逆!逆!
もっとお互い迷惑を掛け合うことの方が素敵だと思うんですよね。
私も迷惑かけるけど、あなたも迷惑かけていいよ。
そっちの方がいい!
「迷惑を掛ける」って傍若無人に好き勝手振る舞うということとはちょっと違うんです。
「迷惑」にはきっと2種類あって、一つが今言った傍若無人に好き勝手して、周囲にお構いなしの迷惑。
もう一つが、
「お願い」「助けて」とこちらからお願いする迷惑です。
「私これで困っているの。手伝ってくれない?」
「俺、今度恋人とデート行きたいから休ませて」
「ちょっと体がしんどいから、休ませてくれる?」
こういう、迷惑って、相手は実は嬉しかったりします。
「しゃーないなぁ。」なんて口では言いながら、とっても嬉しいんです。
もちろん「ありがとう」という感謝の言葉ももらえます。
そんなのが一方通行ではなくお互いに「迷惑をかけあう」にする。
お願いされた方は、頼ってもらった嬉しさと、次回自分がしんどい時に助けてもらえる安心感が生まれます。
同僚を信頼でき太く強い関係を作ることが出来ます。
そんな関係をスタッフ間で築ければ虐待抑止に繋がるんじゃないのかなと僕は思ってしまうわけです。
❺のことも話したかったのですが、いつもながら話が長くなっちゃったんで、次回に持ち越します。
迷惑を掛け合う職場。
「お願い」「助けて」「ありがとう」が飛び交う職場。
僕はとっても素敵だと思うんだけどなぁ。
最後のゴールにたどり着くまで、この「障害者虐待」についての金村の考えをダラダラとお話しさせていただきます。
イロハニトイロ所長
金村栄治